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『こはく』

『こはく』

  • 6/21 長崎先行ロードショー
  • 7/6 ユーロスペース、
    シネマート新宿ほか
    全国順次ロードショー

INTRODUCTION

イントロダクション

「人は孤独とよ」
幼いころ突然姿を消した父を求め、
兄弟で必死に捜し歩く長崎の街。
それは“家族” とは何かを知るための
“心の旅”だった――。

幼い頃に別れた父の会社を受け継ぎ、経営者として周囲に認められるようになった亮太。しかし、父と同じように離婚して子供たちと別れた経験が、現在の妻との幸せな生活に小さな影を落とすことがある。そんな亮太に兄の章一が、父を街で見かけたと言う。兄と一緒に父を捜して街を歩き回るうちに、これまで考えたことがなかった父の、そして母の人生に思いを馳せる亮太。父を捜すという、日常の中でのささやかな冒険を通して、亮太は自分を見つめ直し、家族の愛を再発見していく――。

井浦新と大橋彰(アキラ100%)が
兄弟役で共演!

 亮太を演じるのは、『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』『かぞくのくに』などで映画賞に輝いた井浦新。爽やかな風貌の奥に心の揺らぎをにじませ、繊細な演技を披露してくれる。亮太とは対照的に実家暮らしで無職の章一には、大橋彰。お笑い芸人アキラ100%としてのキャラクターを封印し、本名で初の大役に挑戦した彼は、特にクライマックスでは稀に見る演技で観る者の心を鷲掴みにする。

『ゆらり』の横尾初喜監督が
故郷・長崎県を
舞台に描く、
家族についての
愛と優しさあふれる
感動の物語。

 原案・監督は『ゆらり』の横尾初喜。自身の幼少時代の実体験を基にした半自伝的なストーリーを作り上げ、故郷の長崎県でオールロケを敢行。海の見える坂道が印象的な佐世保市や路面電車が走る長崎市を舞台に、市民キャストを含む大勢の地元の人々の協力を得て完成させた。夫人で女優の遠藤久美子が、自分自身とも言える亮太の妻役を好演しているのも話題だ。
 脚本は『きらきら眼鏡』の守口悠介。撮影は『淵に立つ』のベテラン、根岸憲一。音楽はLaika Came Backとして活躍しているミュージシャンの車谷浩司が担当し、本作のために書き下ろした心に染みる主題歌も歌っている。

STORY

ストーリー

 長崎県に住む広永亮太(井浦新)は35歳。幼い頃に別れた父のことはほとんど覚えていないが、父が借金とともに残していったガラス細工会社を受け継ぎ、どうにか経営を立て直しつつある。その一方で、かつての父と同じように離婚し、ふたりの息子とずっと会っていない亮太。現在の妻の友里恵(遠藤久美子)とは幸せに暮らしているが、ある日、友里恵から妊娠を告げられ、喜びながらも父親になることへの一抹の不安を覚える。  そんな折、母の元子(木内みどり)と暮らす兄の章一(大橋彰)が、街で父を見かけたと言い出した。いい加減なことばかり言って仕事もせずにぶらぶらしている兄が、いつになく真剣な面持ちで父への恨みも口にしたため、亮太は衝撃を受ける。

 兄に付き合って父を捜し始めた亮太は、自分たちと別れた後の父の人生に思いを馳せる。忘れかけていた子供時代の記憶が蘇り、若き日の母が垣間見せた孤独な姿も思い出すようになる。母は今でも父のことを話すのを嫌がり、亮太が理由を訊いても教えてくれない。  そんな母に内緒で父を捜し続けた亮太と章一は、唯一の手がかりとなりそうな元従業員の女性の住所を手に入れるが、その住所を訪ねると、女性はすでに転居してしまっていた。父親捜しは暗礁に乗り上げた。そもそも兄が父を見たというのは本当なのか? 亮太は章一を疑い始め、兄弟の仲が険悪になりかけたとき、母が病に倒れた。  病床で初めて、「お父さんは優しかったとよ」と語る母。友里恵が息子の亮平を出産した数カ月後に、母はこの世を去った。そして葬儀の日、ついに亮太と章一は父に関する有力な情報を得る――。

CAST

キャスト

井浦 新/ 広永亮太

 1974年9月15日生まれ 東京都出身。映画『ワンダフルライフ』(98/是枝裕和監督)に初主演。以降、映画を中心にドラマ、ナレーションなど幅広く活動。映画『かぞくのくに』(12/ヤン・ヨンヒ監督)で第55回ブルーリボン賞助演男優賞を受賞。『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』(12/若松孝二監督)では日本映画プロフェッショナル大賞主演男優賞を受賞。以降も映画『ジ、エクストリーム、スキヤキ』(13/前田司郎監督)『白河夜船』(15/若木信吾監督)『二十六夜待ち』(17/越川道夫監督)『止められるか、俺たちを』(18/白石和彌監督)『赤い雪 Red snow』(19/甲斐さやか監督)『嵐電』(19/鈴木卓爾監督)などがある。

comment

 桜の咲き始めたまだ薄ら寒い春に、こはくの撮影はクランクインしました。家族の物語であるこの映画を撮るにはもってこいの季節。長崎出身の横尾監督の自伝とも云うべきこはくの世界、監督の心の中の風景を求め、スタッフ・キャストがまるで家族のような組となり、佐世保を中心に長崎の様々な地を、ひとつになって"こはくの旅"をしていました。クランクアップの頃には、桜は散り葉桜が芽吹きうららかな春へとなっていました。
 この刹那の内に生命が巡る期間の撮影で、横尾組は映画の神様に愛され、小さな小さなたくさんの奇跡が現場に宿り、1000人近いエキストラの皆さんの協力と、差し入れ炊き出しなど地元の方々のあたたかな支え、たくさんの愛によってつくられました。
 どんな人にもきっとある、心の中のこはく色に染まった景色。それを呼び醒まし、家族の話を自然としたくなる、共有し語り合いたくなる、そのような映画になれたならと願っております。

大橋 彰/ 広永章一

 1974年、埼玉県生まれ。もともと俳優志望で、高校時代は演劇部、大学時代は小劇場で活動した経験を持つ。2005年、大学時代の同級生とお笑いコンビ「タンバリン」を結成。10年に解散後、現在のアキラ100%の芸名でピン芸人としての活動を開始。16年、ピン芸人コンクール「R-1ぐらんぷり」で準決勝に初進出し、17年に優勝を果たした。映画出演は、横尾初喜監督の前作『ゆらり』(17)に続いて本作が2作目であり、初の大役となったが、その演技力を存分に発揮して監督の期待に見事に応えた。

comment

 井浦さんはカッコよかったです!テレビで見ていた人だ、というのがはじめての感想です(笑)。普段はすごく気さくで明るい方で、現場ではあらゆることでみんなをリードしてくれました。立ち居振る舞いやら作品に対する姿勢まで色々と勉強になりました。監督とよく台本等についての話をしていましたが、もし主演が井浦さんじゃなかったら違う作品になっていたんじゃないでしょうか。
 現場の雰囲気や、長崎という場所も相まって、とても優しく、あたたかい家族の作品になっていると思います。もしかしたら、どんな人も、誰かにどこかに重なる気持ちがあるんじゃないかと思います。元々は役者を目指したのがキッカケで芸能の道を選んだのです。いつもとだいぶ違うと思いますが、違うアキラを皆さんに見ていただきたいです。作品に参加することができて本当に光栄です。なにより、声をかけていただいた横尾監督に感謝します。

遠藤久美子/ 亮太の妻・広永友里恵

 1978年、東京都生まれ。95年にマクドナルドのCMで注目を集め、バラエティー番組で人気を獲得。98年に歌手デビュー。2003年にTVドラマ「ダンシングライフ」(TBS)で初主演を果たし、「警視庁捜査一課9係」(06~17/EX)、「駅弁刑事・神保徳之助」(07~17/TBS)などに出演。映画や舞台でも活躍している。16年7月に横尾初喜監督と結婚し、17年2月に第1子を出産。横尾監督の前作『ゆらり』(17)にも出演した。5月公開映画『武蔵 -むさし-』(三上康雄監督)がある。

comment

 映画「こはく」は、主人が幼少期に心の奥底に閉じ込めた「想い」を1つ1つ丁寧に向き合うという非常にエネルギーのいる作業を積み重ねた作品です。映画「こはく」を製作する過程で、家族への愛、郷土への愛、映画への愛、仲間や協力者への愛。そして、長崎に眠るご先祖達の愛が主人の作品に沢山注がれていた様に思います。
 私は撮影に入る2年前から、主人の想いに寄り添い、過去を共有してきました。痛みも喜びも全て受け止め、家族として生き続ける覚悟を持って、撮影の日々を過ごせたことを役者としても妻としても、幸せに思います。この映画を見終わった時、誰しも自分の中にある、決して忘れる事の出来ない家族に想いを馳せていただけたら幸いです。

嶋田久作/ 黒服の男・佐久本

 1955年、神奈川県生まれ。劇団東京グランギニョルを経て、『帝都物語』(88/実相寺昭雄監督)の魔人・加藤保憲役で映画デビューし、強烈なキャラクターで注目を浴びる。実相寺作品の常連となり、岡本喜八、大林宣彦、滝田洋二郎ら著名監督にも起用される。2018年は『素敵なダイナマイトスキャンダル』(冨永昌敬監督)、『孤狼の血』(白石和彌監督)、『菊とギロチン』(瀬々敬久監督)などに出演した。今秋公開予定作『ブルーアワーにぶっ飛ばす』(箱田優子監督)がある。

comment

 私見ですが、戦後の日本において父権の低下が進みバブルがはじけた後、90年代半ば頃からは父親捜しが表裏に据えられた物語が多く創られるようになった気がします。それは社会全体が「規範」や「責任主体」、「理想」といったものをはっきりと打ち立てることが出来なくなったことと無縁では無いように感じられます。
 この「こはく」では中年に差し掛かる兄弟が、物心つくかつかないかの時期に生き別れた父親を求めて捜し歩きます。そして生き別れた父親も自分を父親として確立していないように見受けられる人物で、つまり父権として機能する存在がいないのです。父親を見出せない中で「成熟」することが出来るのか否か。
 門外漢なので的外れの恐れは否めませんが、私たちは今後、暗中模索しながら「自立」し「孤独」に耐え、「優しさ」と「寛容」を身につけていかなければならないのかもしれません。脚本を読んで、演じてみてそんな思いがよぎりました。

塩田みう/ ガラス細工会社
ビードロ師助手・宮本優希

 1999年、長崎県生まれ。chohai所属。「岩崎本舗~角煮まんじゅう」、「ユニクロ」、CM等出演。「ALL・Vファーレン」TV番組レギュラー出演。横尾初喜監督作品『こはく』で女優デビュー。女優、タレントとして、CM、映画等で活躍中。

comment

 「こはく」という作品との出会いは、私にとって生涯忘れられない経験になりました。演じることの大変さと楽しさ等、今まで感じたことがない感覚でした。また、役者の方と現場の方との出会いは、私にとって言葉だけでは表現できないほどの成長になりました。

寿大聡/ ガラス会社社員・越野啓介

 1981年、埼玉県生まれ。 仲代達矢が主宰する無名塾の第26期生として入塾。映画では、2012年三池崇史監督作品『地球兄弟』、続編『地球兄弟2』(14/三池崇史監督)でも主演を務め、同作がローマ国際映画祭2013にて出品され脚光を浴びる。その後、映画『ゆらり』(17/横尾初喜監督)、『ウスケボーイズ』(18/柿崎ゆうじ監督)等に、ドラマでは「嫌われる勇気」(17/CX)、「女囚セブン」(17/テレビ朝日)、「沈黙法廷」(17/WOWOW)、「隣の家族は青く見える」(18/CX)などにレギュラー出演する。舞台では、「長崎の鐘」(08)、「荒木町ラプソディー ~地層捜査~」(12)、「五稜郭残党伝」(14)、「夜を急ぐ者よ」(15)、「トワイライトムーン」(18)などで主演を務め確かな演技力で、舞台、映画、ドラマなどにて活躍中。

comment

 今回は映画「こはく」に参加でき本当に心から嬉しく思います。横尾初喜監督は公私ともに長年お世話になっており一番信頼、尊敬している監督でございます。その横尾監督の半生を描いた作品「こはく」に出演出来た事は僕の俳優人生における財産であります。長崎を舞台にした素敵な家族のストーリーを皆様どうぞお楽しみ下さいませ。

鶴田真由/ 小形晃子

 神奈川県生まれ。『きけ、わだつみの声 Last Friends』(95/出目昌伸監督)で第19回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。他の出演作に『就職戦線異状なし』(91/金子修介監督)、『梟の城』(99/篠田正浩監督)、『半落ち』(04/佐々部清監督)、『沈まぬ太陽』(09/若松節朗監督)、『ほとりの朔子』(14/深田晃司監督)、『64 ロクヨン』(16/瀬々敬久監督)、『ゆらり』(17/横尾初喜監督)、『DESTINY鎌倉ものがたり』(17/山崎貴監督)、『日日是好日』(18/大森立嗣監督)など。4月公開の『君は一人ぼっちじゃない』(三村順一監督)がある。

comment

 私が撮影に入った時には9割以上が撮り終わっている状況でした。それまでに起こった数々の奇跡と役者陣の素晴らしい演技のエピソードを聞いていましたので、とてもプレッシャーを感じました。横尾監督の自伝ともいえる大切な作品に参加できたことを光栄に思います。

石倉三郎/ ガラス会社細工会社
ビードロ師・宮本哲郎

 香川県生まれ。お笑いコンビ「コント・レオナルド」などを経て、俳優として活躍。『つむぐもの』(16/犬童一利監督)で映画初主演。主な出演映画に、『四十七人の刺客』(94)から『犬神家の一族』(06)までの市川崑監督作品をはじめ、『オルゴール』(89/黒土三男監督)、『座頭市』(03/北野武監督)、『相棒-劇場版Ⅱ-警視庁占拠!特命係の一番長い夜』(10/和泉聖治監督)、『オケ老人!』(16/細川徹監督)などがある。TVドラマや舞台でも活躍、2018年11月に新国立劇場で上演された「誰もいない国」(ハロルド・ピンター作)のスプーナー役が大好評を博した。

comment

 父の愛、母の愛、子供の両親への想い。心に傷を抱えた主人公一家を温かく優しく見守ってきた宮本哲郎を演じさせていただき、人々の優しさ溢れる監督の故郷長崎で、参加できたことを嬉しく思います。

鶴見辰吾/ 三田崇之

 1964年、東京都生まれ。TVドラマ「竹の子すくすく」(77~78/ANB)で俳優デビュー。「3年B組金八先生」(79~80/TBS)で広く知られ、相米慎二監督『翔んだカップル』(80)で映画初主演。多くの映画、TVドラマ、舞台で活躍している。最近の出演作に、映画『日日是好日』(18/大森立嗣監督)、『マスカレード・ホテル』(19/鈴木雅之監督)、『きばいやんせ!私』(19/武正晴監督)、TVドラマ「初めて恋をした日に読む話」(19/TBS)、舞台「熱帯樹」(19)がある。

comment

 映画「こはく」の撮影は、私が長年にわたり挑戦してみたいやり方だった。映画の中の登場人物の行動や、その反応は、常にその場で起こったことのようになくてはならないわけで、撮影はそれを記録するかのように行われるべきだということ。それをまさにやり通した。
 井浦さんは以前に共演したこともあるが、何年も会っていない。大橋さんは初めての共演で、お互いに顔合わせはおろか、挨拶もなかった。
 それにもかかわらず、空がこはく色に染まりかけたころ、本番の撮影が始まる。カメラの前で、いきなりお互い直面し、親子の関係を瞬時に築いた。この表現は映画ならではのもので、スタッフと出演者の信頼がなくてはできない撮影だ。 これをやった監督の度胸に感服する。
 この映画が多くの人の心を打つことを願います。

木内みどり/ 章一・亮太兄弟の母親 広永元子

 1950年、愛知県生まれ。主な出演映画に『死の棘』(90/小栗康平監督)、『大病人』(93/伊丹十三監督)、『幻の光』(95/是枝裕和監督)、『長い散歩』(07/奥田瑛二監督)、『ゴールデンスランバー』(10/中村義洋監督)、『陽だまりの彼女』(14/三木孝浩監督)、『0.5ミリ』(15/安藤桃子監督)等。本年は出演作が続々と公開される予定。昨年のNHK大河ドラマ「西郷どん」への出演も話題となった。18年7月「木内みどりの小さなラジオ」を開局。会いたい人や話を聞きたい人のもとへ自ら出向き取材している。

comment

 父と息子、母と息子、夫と妻、兄と弟。そう生まれたからというだけの関係からそうありたいと願う関係へと、はっきり自覚して選び取ると生きやすくなる。人生がキラキラしてくる。あたたかい映画。母役、うれしかった。

PRODUCTION

横尾初喜監督プロダクションノート

オリジナルの企画

 長編1作目の『ゆらり』の後、故郷の長崎県で映画を撮りたいと思い、原作を見つけて動いていたのですが、内諾をもらっていた出版社から突然、メールで「ほかに決まりました」と。原作に振り回された悔しさをバネに、それならオリジナルで行こうと決心し、プロデューサーと相談して自分の半生を映画にすることにしたんです。
 僕は、3歳のときに親が離婚し、3歳違いの兄がいます。そして自分も、息子ふたりが自分たち兄弟と同じぐらいの歳のときに離婚しました。自分が平気だったので息子たちも大丈夫だろうと思っていたのですが、久美(遠藤久美子)と出会って再婚することになり、兄と話すことが増えたときに、兄が父をすごく恨んでいると知って衝撃を受けたんです。僕の息子たちも僕を恨んでいるのかな……。そう思ったことが、この映画を作る一番の動機になりました。
 ストーリーの半分はフィクションですが、回想シーンは僕の子供時代の記憶に基づいていますし、主人公と妻とのシーンには、最終的に僕と久美とのリアルな会話などを反映させました。

フックを探して

 脚本が上がってきた後、実は、何かひとつフックがないとエンターテインメントとしては成立しないなという思いがありました。ロケハンに入ってからもフックを探し続けていた僕に、回想シーンの両親を、主人公・亮太役の井浦新さんとその妻・友里恵役の久美が一人二役で演じるのはどうかと提案してくれたのは、ベテラン撮影監督の根岸憲一さんと助監督の加藤毅君です。ふたりともすごく作品に寄り添ってくれていたんです。
 根岸さんからは、「ちゃんとお父さんに向き合わなきゃダメだよ」とも言われ、自分で蓋をしていた部分があったことに気づかされました。それからは映画作りを通じてずっと父と向き合う作業を続けている感覚がありました。父を知っていたという地元の方々とも出会い、フィクションとして用意していた母・元子の台詞「お父さんは優しかったとよ」が、実際のとおりだったことがわかりました。

ロケーション

 亮太の実家があるのは僕が生まれ育った佐世保市、住んでいるアパートや会社があるのは、僕が中学・高校時代を過ごした長崎市という設定で、それぞれ現地で撮影しました。
 ロケハンには延べ3~4カ月かけました。当初は資金集めのことも考えて長崎市内を回っていたのですが、「監督の愛が断片的にしか見えない」と根岸さんに指摘され、一緒に佐世保市も回ってみたら、「監督の愛はここにあるんですね。ここでやりましょうよ」と言ってもらって。全体の6~7割を佐世保市で撮影し、小さい頃に遊んだ公園や、通った小学校など、自分の原風景となっている場所でも撮らせてもらいました。公園で若き日の元子が言う台詞「私の人生、なんやったっちゃろうかね」と、別のシーンでの「人は孤独とよ」は、僕の母が実際に言っていた言葉です。
 公園の裏の路地を抜けた先には、昔は家が建ち並んでいましたが、今は雑草が生い茂っています。ロケハンのときに見て、こんなに朽ち果てるんだと思い、亮太が路地を走り抜けるシーンを入れたんです。
 冒頭の夕陽が映る川のシーンは、大村市で撮影しました。たまたま映画を撮る1年ぐらい前に僕が長崎市から佐世保市にバスで向かう途中、夕陽の美しさに目に留めた場所です。

キャスティング

 最初に快諾いただいたのが、亮太役の井浦新さんです。新さんが久美と夫婦を演じることになり、自分が嫉妬しちゃうんじゃないかとか、つまり嫉妬したらOKなのかなとか、あれこれ考えていたんですけど(笑)、まったく心配無用でした。久美と共演している新さんが僕にしか見えなかったんです。すごい役者さんだなと改めて思いました。
 章一役には、新さんとは違うタイプの役者さんがいいなと思って、大橋彰さんにお願いしました。彰さんは、長編映画の大役は初めてなので相当プレッシャーを感じていたと思いますけど、新さんと鶴見辰吾さんとのクライマックスのシーンでは見事な演技を見せていただけて、僕まで嗚咽が止まらなくなり、なかなかカットをかけられなかったほどです。その場にへたり込んだ彰さんに、新さんと鶴見さんが寄り添って3人で泣き続けていました。新さんは、「これほどの芝居はあまり見たことがないです」と彰さんを称えていました。

順調だった撮影

 撮影期間は2018年3月27日から4月10日まで。短いですけど、1年半かけて準備をしっかりやっていましたし、天気にも恵まれたので、すごく順調でした。
 色彩については、根岸さんと打ち合わせをして、「内に眠っているアンバー(琥珀色)を大事にしていこう」と。初めは黄色方向のアンバー、最後のほうは赤方向のアンバーになっています。それを引き立たせるために、回想シーンはB(ブルー)方向にし、最後のほうで主人公が全部思い出したらアンバーに染まっているという作りにしました。さらに言うと、ラストのロングショットは、アンバーが抜けていって海に行って終わります。つまり、海(=母)の中に溶けていくというイメージです……。

奇跡が次々と……

 今回、奇跡としか思えないことがたくさん起こりました。僕は神様などをまったく信じていなかったのですが、クランクイン前にお祓いをしてもらい、終わって出てきたとき、僕のドクロ型のキーホルダーがプチッと切れて落ち、その瞬間、不思議な風が吹いたんです。その時、新さんが言われました「神様が見守ってくれているんですよ」。それからは天気が完璧でした。クライマックスの撮影日は、雨が降ったり、晴れたり、雹が降ったりと、章一の気持ちに寄り添っているかのようでしたが、撮り終わったらきれいに晴れて虹がかかったんです。
 一番驚いたのは、僕が知らずにロケーションとして選んだ印象的な階段の横に、先祖の墓があったことです。撮影した日にちょうど現場に来ていた母に教えられたんです。「家族」をテーマにした映画の撮影をご先祖様も見ていてくれたのかと思い、鳥肌が立ちました。あとでちゃんとお墓参りに行きました。

憧れのアーティストと

 音楽を担当していただいた車谷浩司さんは、僕が高校時代から大好きだったアーティストの方で、当時はAIRというアーティスト名でした。現在はLaika Came Backとして活動されていて、4年ほど前に宇都宮でのライブに久美と行って、「いつか僕の映画の音楽をやっていただけませんか」と挨拶させていただいたんです。この企画が走り始めたとき、最初は「逆光」という歌を使わせてもらいたくて、渋谷でのライブにまた突撃で駆けつけたら、快諾していただいて。実際の打ち合わせになってから劇伴をお願いできることになり、主題歌も作ってくださることになりました。出来上がった曲を初めて聴かせてもらったときは本当に感激しました。

長崎での映画作り

 長崎市の母校の1年上の先輩が、資金集めのために市内の大手企業のオーナーさんたちのところを一緒に回ってくれました。同級生たちもいろいろと相談に乗ってくれましたし、企業のオーナーさんの中には、「昔の自分を見てるようや」とポンと資金を出してくださった方もいました。みなさん、映画を撮って故郷を応援したいという僕の熱意に乗ってくださったのだと思います。
 微力ながら地元を盛り上げたくて、市民キャストのオーディションをイベントとして開催したところ、子供だけで500人、大人も含めると1000人以上が集まってくださいました。子供たちにとって、いい経験になっていれば幸いです。また、長崎県立大学の映像に興味のある学生さんたちに、アルバイトや見習いとしてではなくスタッフの一員として撮影に参加してもらったら、打ち上げのときに全員号泣して感謝してくれました。その姿を見て僕らも感動したんですが、さらに嬉しいことに、彼らはその後、自主映画を作ったんです。企業のオーナーさんたちも継続的に応援すると言ってくれているので、僕は自分のライフワークとして地元で映画を撮り続け、若者や子供が参加できるような場を作っていきたいと思っています。

優しさを届けるために

 今回の映画作りでは、キャスト、スタッフ、地元の方々、家族……大勢の人からたくさんのことを学ばせてもらいました。特に長崎の人たちの優しさ!ロケハン中に昼食を食べる店を探していると、「あそこの中華、おいしかとよ」とわざわざ連れていってくださったり、撮影を見学させてもらったお礼にとデコポンを100個ぐらいくださったり。本当に優しさに包まれた撮影でした。そして、僕の母も含めて、優しさの中には強さがあるということも学びました。この映画を通して、その優しさを長崎から、日本だけでなく世界に届けられたらと願っています。

原案・監督横尾初喜

 1979年生まれ。長崎県佐世保市出身。長崎県の青雲高校卒業。横浜国立大学在学中からミュージックビデオ制作会社、竹内芸能企画に参加。その後、2008年にFoolenlarge合同会社を設立し、副代表に就任。多くのTVドラマや、ミュージックビデオ、短編映画の監督を手がけた後、2017年に西条みつとし作の舞台劇の映画化『ゆらり』で長編監督デビュー。本作は長編2作目となる。夫人は本作にも出演している女優の遠藤久美子。

STAFF

スタッフ

脚本 守口悠介

 1985年生まれ。神奈川県出身。中央大学で心理学を専攻。広告代理店勤務を経て作家となり、舞台劇、TVドラマ、映画の脚本を多数手がけている。2011年には、TVドラマ「相棒」(EX)の脚本を同シリーズ史上最年少の26歳で担当した。映画脚本には、『つむぐもの』(16/犬童一利監督)、『ラオス 竜の奇跡』(17/熊澤誓人監督)、『名前』(18/戸田彬弘監督)、『きらきら眼鏡』(18/犬童一利監督)などがある。

撮影 根岸憲一(J.S.C)

 1957年生まれ。高田昭、川上皓市、篠田昇に師事した後、92年に『地獄の警備員』(黒沢清監督)で撮影監督デビュー。主な作品に『島田洋七の佐賀のがばいばあちゃん』(09/島田洋七監督)、『僕の中のオトコの娘』(12/窪田将治監督)、『ほとりの朔子』(14/深田晃司監督)、『横たわる彼女』(14/戸田彬弘)、『淵に立つ』(16/深田晃司監督)、『名前』(18/戸田彬弘監督)、『きらきら眼鏡』(18/犬童一利監督)などがある。

音楽 車谷浩司

 1971年生まれ。バンドやユニットを経て、96年にAIRの芸名でソロデビューし、透明な歌声とジャンルを超えた音楽性で人気を得る。2009年に活動終了後、カンボジアや、アフリカのブルキナファソで子供たちのための音楽・教育ボランティア活動に従事。10年にLaika Came Backとして音楽活動を開始し、これまでに2枚のアルバム『Landed』『Confirms』をリリース。本作で初めて映画音楽を担当し、Laika Came Backとして主題歌も歌っている。

comment

 “父さんの曲を作って欲しい。” 久しぶりに帰省し、ふたりでテーブルを囲んでいた時のこと。人生の総仕上げ、第三の人生を模索し始めた、普段自分の願望や思いをあまり口にしない父が、ぽつりと言いました。“いいよ、やってみる。” そう答えると、次の瞬間から頭の中で音が鳴り始めました。歌詞は後とし、曲自体はすぐに完成しました。するとその数日後に、今回の “こはく” のお話を頂きました。映画は父と子の話であること。家族の話であること。数日前の僕と父の出来事から、不思議にも、まるでお互いが引き寄せ合ったかのように、瑞々しく届いたお話でした。図らずも自分の父の為に書き上げたこのメロディーが、“こはく” の主題歌となりました。
 楽曲作りの為にお伺いした撮影現場は、映像や音楽などの制作現場にありがちな尖り過ぎてしまう空気感がまるでなく、監督、スタッフ、新さんや彰さんをはじめ俳優部の皆さん、長崎の街の皆さんが、携わる者、誰も彼もを全て包み込んでいってしまうような温かさで時を重ねていました。この作品の撮影そのものが、ひとつの物語であるかのようでした。
 仮編集の段階で、既にLaika Came Backの既存の楽曲たちが全て当てはめられており、監督の中で世界観がしっかりと確立されていた為、それに沿った形で新しい楽曲を制作していくことは、難しくも、とても新鮮な時間でした。自分の背中を、すっと伸ばしてくれました。
 深い悲しみと、真の強さ、そして真の優しさは、全て一体であるということを、音楽から感じて頂けたら嬉しく思います。

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COMMENT

コメント

菅 賢治 さん(プロデューサー)

他人の実家の匂いがした。
新婚の夫婦のアパートの匂いがした。
海辺の工場の機械油の匂いがした。
余命幾ばくもない人を見舞った病室の匂いがした。
映像で匂いを嗅ぐのは、不可能だ。
しかし、横尾初喜の作品は好きであろうが不快であろうが容赦無しに匂いが鼻腔に飛び込んで来る。
『他にあったっけ?』
65年前の作品、農民が侍を探しに行ってなけなしの米を盗まれて雨の汚い宿で絶望しているあのシーンは確かにカビ臭い匂いがした。
ベトナムで米兵が村長の妻を射殺するシーンは、蒸し暑い東南アジアの匂いがした。
映像で匂いを感じさせるのは容易な事ではない。
『こはく』には全編匂いがある。
凄い。
ただ、また宿題を出されてしまった。
ネタバラしになるから言えないが、『過去の思い出と過去の事実』
何故あの映像にしたのか?
また、眠れない日が続く。

中川 大志 さん(俳優)

佐世保は僕の大好きな場所です。
勝手に第二の故郷と思っている程、思い出の詰まった場所です。
そんな佐世保の町が、横尾監督の愛情によって切り取られ、匂いや、温度までが画面のこちら側に押し寄せてきました。この世界の中に今すぐ飛び込みたいと思いました。
自分の中に親を見つけて、親の中に自分を見つける瞬間が僕にもあります。家族の繋がりって一体何なのだろう。自分にいつか子供が生まれる時、僕が生きてきた時間が子供達の中に何を残すんだろう。沢山、家族のことを考えて、家族に会いたくなりました。

安田 聖愛 さん(女優)

家族と言ってもいろんな形がある。
なんとなく、家族とは何か?そんな疑問を抱いている中、この作品と出会いました。
作品を観る前に読んだパンフレットから、監督、スタッフさん、俳優さんたちの作品への思いが真っ直ぐに伝わってきてまだ観てないのに、何て良い作品なんだろうなんて思いました。笑
こんなにも、街や人々の関係がリアルに映されている作品ってそんなにあるだろうか?
人として語りかけてくる、俳優として語りかけてくる大事なものを作品の中に見ました。
過去を引きずる事、憎しみや怒り、純粋な愛情、登場人物一人一人の気持ちが壊れてしまいそうなほど繊細で、苦しくて、けど全て心の奥深くから溢れるような愛でした。
言葉がなくても伝わってきた、その場にいなくてもそこに存在した愛に、私は愛おしさを感じ涙しました。
今でも、この作品を思い出すと泣いてしまいそう。
バラバラになってしまっても一瞬で家族になれる、そんな素敵な形もあるんだなと知りました。
間違いなく、私にとってこの作品は素晴らしい出会いでした。

白石 聖 さん(女優)

幼い日の私自身と重ねられるシーンがたくさんありました。
人は孤独だということを改めて突きつけられたら急に寂しくなって、母が恋しくなり、最後は泣いていました。
厄介に感じたり、温かくて、でも面倒くさかったり、家族って難しい。
いつかは皆死んでしまうし、他人と分かり合うことは難しいからこそ、優しく生きていきたいと思いました。

岡野 真也 さん(女優)

監督の家族への想いが満ち溢れ、
冒頭の海のように
キラキラとしていました。
不満と期待で絡まり、
もがく2人の姿が愛おしかったです。
家族のカタチはそれぞれ。
私の家族、特に大人に
なりつつある弟たちと、
もっと話してみようと思いました。

若月 佑美 さん(女優)

音楽も色も街並みも全てが私の心を抉ってきました。
登場人物の人柄、物語、選曲、撮影地、この『こはく』という映画を通して横尾監督の様々な愛を見た気がしました。
監督のリアルと俳優人の身を削るお芝居。
それらの説得力がもの凄くて、久々に良い意味で引き摺る映画を観ました。
家族に形はないけれど、
形のない大事なものは家族の間にはあると教えてもらった気がします。
個人的には
遠藤久美子さん演じる奥様の優しさが
めためたに沁みました。

真野 響子 さん(女優)

見終えて、横尾さんに、「素晴らしいキャストに恵まれて良かったね!」と言った。
家に帰って考えた。もしかしたら逆かも、と。自分の過去の琥珀色の痛みを、自然色に戻した力。
それが横尾さんの演出力。キャストが恵まれたのかも。昔ご一緒した時の私みたいに。

島崎 莉乃 さん(ライター・作詞家・俳優)

季節と季節の間に吹く、
名もなき一瞬の風を切り取ったような映画。
おぼろげな父親の背中を探す兄弟の姿は、瞳を潤ませた迷子のようだ。

優しさを伝える、穏やかで美しい長崎の情景。

ずっと我慢して溜めていた涙があふれた瞬間、
私たちは本物の’’自由’’を知ることが出来るのだと
「こはく」はそっと、教えてくれました。

荻野 友里 さん(女優)

不安定な波間の目線の先には、親の呪縛の中でもがく、普通ではないようでありふれた家族の姿がありました。
こはくに閉じ込められた思いは、輝いたのか、、、
気になった場面が積み重なり、広永家を取り巻く空気を感じました。

宅間 孝行 さん(映画監督)

この物語は、大人の映画でした。
観る人は抑えた演出に、きっと様々な想いを巡らせます。
父、母、兄、別れた妻、妻の元にいる息子たち、新しい妻、新しい命…沢山の絆の中に、様々な傷を抱え、そこから逃れ、向き合い、そして気付く人生の不完全さ。
でもそれでいいんだ。
大人になって多かれ少なかれ持つであろう「苦み」に、優しく寄り添ってくれる映画でした。
僕の「苦み」は観終わってちょっと和らぎ「こはく」になりました。

隅田 杏花 さん(劇団4ドル50セント)

愛というものは、曖昧で形にする事は難しい。
だけど、こはくという作品の中に大きな愛を感じました。
長崎の景色、音楽、全てが相まって、気付いたらこはくという世界の中に私はいました。
登場人物の交錯し重なり合う思いが、苦しくて苦しくて、でもそこに確かな愛が存在しました。
見終わった時、その愛の大きさに涙が溢れていました。
横尾監督と初めてお会いした時に何故か感じた安心感。
その理由が分かった気がしました。

アンミカ さん

二回見て、今から生放送やのに、泣きすぎて目が腫れてもーたわ!
いつの間にか、父を探す二人の人生のドキュメンタリーを、そばで見守っている。そんな気持ちになる、静かで、暖かく、しんみりと引き込まれた映画でした(^^)

監督が生まれ育った長崎の原風景の中に、誰もが自分の故郷を見出せるような、そんな、懐かしい、こはく色の心の景色や言葉にできない想いを見ました。

色々な個で家族は作られ、糸のようにもつれたり、解けたり、絡まっていくことで強くなったり、愛が深くなったり、切れてしまったり、、家族って本当に不思議な存在やね。

それぞれの想いや愛を持って、それぞれが人生を選択して、それぞれの人生を歩んで行く。でも家族は死ぬまで家族やねんな。

家族とは、愛とは、選択とは、、を心暖かく見直したくなりました。

アラタさんとアキラさんの自然な長崎弁にも感動!虚言癖のある、自信のない兄を好演されたアキラさんの、素直なラストシーンは涙腺崩壊でした。

私も、両親が亡くなってからの、それぞれの兄弟の思い出や受け止め方が違い、未だに兄弟間で、新しい発見があります。

こはくの兄弟二人の性格も、ラストによりその個性が見えた気がしました。

ええ映画やわ!ほんまに!

波岡 一喜 さん(俳優)

ただただ涙が止まらなかった。
幼い頃の自分の家族、大人になって新たにできる自分の家族。
子供はやがて親になる。
親になった後も子供である。
家族の絆、大切さを改めて考えさせてもらった。
さぁて、子供と遊びに行くか。

山崎 達璽 さん(映画監督)

長回しの多用により、静謐さを貫きつつ、その裏側にある激情がジワジワと伝わってきます。
キャスティング、配役の妙が終盤ぐっと利いてきて、涙が止まりませんでした。
キアロスタミをしのぐラストカットは大スクリーンならではの感動。
まさに映画館で観るべき映画らしい映画。
そして日本映画らしい日本映画です。

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  • 6/21 長崎先行ロードショー
  • 7/6 ユーロスペース、
    シネマート新宿ほか
    全国順次ロードショー